アクセス
交通手段
JR大阪駅から環状線で天王寺へ行き、徒歩で近鉄大阪阿倍野駅へ移動後南大阪線吉野行で壷阪山駅まで。
鶴橋からは大阪線で大和八木で橿原線乗換、更に橿原神宮で吉野行に乗換です。京都からは近鉄京都線で橿原神宮で吉野行で行けます。
近鉄壺阪山駅から奈良交通バス「壷阪寺前」行きで11分。
交通費
JR大阪から天王寺まで200円、大阪阿倍野駅から壷阪山までの交通費と近鉄電車代(720円)に奈良交通のバス代(330円)となりますので往復すると相応の金額になります。
最寄り駅から門まで
バスの停留所は寺の門前です。
門から本堂まで
門から本堂まで多少の勾配がありますが難なく行けます。
【交通機関】
【交通費】
【最寄り駅から寺の門まで】
【門から本堂まで】
★の数が多いほど「難易度が高い」ことになります
お寺について
第六番札所 壷阪山 南法華寺(壷阪寺)
(つぼさかさん みなみほっけじ つぼさかでら)
創建
大宝3年(703)
観音様
十一面千手千眼観音菩薩 常時拝観可能
伽藍
八角円堂は創建時からによるものだが現在のは江戸時代に建てられたものといわれています。本堂は江戸時代1759年建立。
見どころ
間近で見ることが出来る観音様。
インドの影響を受けているレリーフ。
点在する巨大な仏像。
古寺ではない今を生きている寺。
バスの時間は確かめて
近鉄壺阪山から奈良交通のバスの本数は少ないです。日に4便しかありません。帰りのバスの時間もあらかじめ確認しておきましょう。私が行ったのはお盆過ぎの夏休みの時期でして、あらかじめバスの時間は確認しましたが、寺について帰りのバスの時間を確認すると時刻表が違っていました。お寺の方にお聞きしたところ、時刻表が変わっているとのことでしたので、これはコロナ禍だけのことか、夏休みだからなのか分かりませんが、くれぐれも帰りのバスの時間は寺に着いたら確認したほうがいいです。
お寺周辺には目立ったお店はありませんでした。境内に茶店「つぼさか茶屋」がありますが、私が行ったときはコロナ禍のため営業していませんでした。茶店もご確認の上、空腹注意報が発令する方は「おやつ」や「おにぎり」の準備をして下さいね。

御本尊の千手千眼観音菩薩
広い境内ですが、まずは観音様へお参りです。
壷阪寺は眼病封じのお寺です。私は近眼ですし、飛蚊症が時々気になり、お年頃なのか老眼も気になるので、ここはしっかりと祈願しました。お札を納めて、いよいよ観音様の前へ。
こちらは常時拝観出来る観音様です。しかも間近で拝見出来ます。
コロナ禍のせいと猛暑のせいで参拝者は数える程で、観音様とのご対面はプライベートゾーン、貸し切り状態でした。お顔は目が開いていて、唇が厚くて、輪郭が丸く、ふくよかなお顔つきです。
う~ん、大陸っぽいお顔です。6世紀の日本にこのようなお顔は存在していないはず。観音様を見ていると、穏やかながらも眼力を感じてしまいます。怖がらせる眼力ではなく「治して差し上げますよ」という感じです。しばらく観音様との時間を楽しみ、心地よさのため離れがたかったです。
お参りが終わると、お札を納めたら名前入りの御朱印とお札をいただきました。
私はこのシステムを知らずお札を納めるだけと思っていたので、思いがけないお土産をいただいた気分でうれしかったです。
おかげ様でお参りから1年以上経ちますが眼の調子はいいですよ。
御朱印はケースに入れて自宅に置いています。片側には観音様のお写真があります。

お札ともう一度お参り出来るチケットです。
観音様の祀る八角円堂はぐるりと回廊があり、夏の日の緑がとても綺麗でした。

点在する仏像たち
大きな仏像が点在している広い境内。見えているけどその場所に着くまで距離があります。それくらい仏像が大きいのです、そして歩きます。
でかい、でかい、でかい。夏の陽の光を浴びて、緑が映えて、仏様が際立つ美しさ。
後ろに立っておられる観音様は20メートル1200tのサイズです。
手前の涅槃像は全長8メートルです。
なんとなく女性的に見える観音様。
どの仏様もお顔が和ティストよりは目鼻立ちがはっきりしているようです。これはきっとインドとの交流が盛んである故でしょうか。
こちらは桜の季節の大仏様です。

インドへ救済活動と盲老人ホーム
ここ、壷阪寺はインドへの救済活動を継続して行っていて平成元年には財団を設立しています。そのため境内にはインドから贈られたものが多いのです。救済に取り組むのはもちろん素晴らしいのですが、救済し続けているのがもっと素晴らしいです。このように古寺ではありますが近年の仏像が増えているは、まさに生きている寺と言えましょう。

境内のレリーフもインド風ですね。
また、眼病封じのお寺であり眼の不自由な方の聖地であった壷阪寺には「養護盲老人ホーム慈母園」があります。昭和36年に誕生して現在も福祉活動をされています。
観音様は万人をお助けになると聞きますが、正に壷阪寺は具現化しています。
また、眼病封じのお寺であり眼の不自由な方の聖地であった壷阪寺には「養護盲老人ホーム慈母園」があります。昭和36年に誕生して現在も福祉活動をされています。
観音様は万人をお助けになると聞きますが、正に壷阪寺は具現化しています。
なのでお賽銭はためらうことなく出来ますよ。
壷阪霊験記
300年程前に盲目の沢市は三味線を教え、妻のお里は内職をして貧しい生活ではありましたが仲良く暮らしていました。あるとき沢市はお里が明け方になると部屋から居なくなることに疑惑を持ち、男が出来たのではと問いただしたところ、お里は沢市の眼が治るようにと3年もの間毎日壷阪寺の観音様に朝詣りをしているということでありました。沢市は妻を疑った自身を責め、お里を自由にさせるために里の実家に帰し、自分は谷へ身を投げてしまいます。何か予感を感じたお里が戻ると沢市が身を投げたことを知り、お里も後を追いました。これを知った観音様は霊験により奇跡が起きて、二人は生き返り、更に沢市の眼が見えるようになりました。
このお話は浄瑠璃で有名ですが、かつて歌舞伎でも上演されたらしくその時の演者が中村勘三郎さん(当時は勘九郎)だったのです。あーもっと早く知っていたら見ていただろうに。
それにしてもなんともロマンチックなお話で、観音様の慈悲を感じます。
夫婦愛の物語と盲老人ホームを併設するという、思想を現実化した生きている寺
境内の建物も仏像もいいのですけど、眼の観音様であり、福祉救済活動を継続しているお寺の思想が分かると境内の歩き方が変わると思うのです。
ぜひ、単に仏像の大きさだけにとらわれず、その大きな仏像に込められた壷阪寺の慈悲の心を感じてお参り下さい。
※コロナ対策のため、手水舎は閉鎖、観音様と繋ぐ五色紐も触れることができない札所が多くなっています。拝観時間や入堂条件も、通常とは異なっています。このブログではあくまでも私が参拝した当時の情報と、更新現在ネット等で公開されている情報が元になっています。参拝時はご自身で最新情報をお確かめください!
巡礼日:2020年8月17日